怒ってない?でも実はアンガー

アンガー=怒り
マネジメント=コントロール、管理すること

ですが、アンガーマネジメントは自分に必要ない・・と思っている方もきっとたくさんいらっしゃると思います。

いらいらしたり、相手に面と向かって怒ることなんてまったくないと思っている場合です。
以前の私もそうでした。

ところがなにかちょっとしたことをきっかけに爆発して激昂したりさけんだりするのは、やはり「アンガー」がある証拠なんですよね。

でも私たちは幼い頃より「怒ってはいけない」「怒ることはみっともない」と教えられていたり、またはなんとなくそう思っていたり、また大人になればなったで「怒ることはしっかりした大人の女性(男性)としてふさわしくない」なんて思ってつい引っ込めてガマンしちゃうんですよね。

誰かに何かされたり言われた時に、本当は「嫌だな」とか「もやもやした気分」が出るのですが、瞬時にそれを忘れようと引っ込めます。
それはもうすごい速さで。
だから自分が「怒っている」とか「嫌な気分になった」いう自覚はないんです。

実はこれは「脳」が自分を守るために反射的にしていることです。

その時に自分に言い聞かせているのは、「どうせ相手に言ったところで理解されないから言わないでおこう」とか「私が黙っていればいい」など。
その方が楽だからなんですが・・。

ところが、なにかのきっかけに爆発してガマンしてきたことを言ってしまうんですよね。
それによって相手がびっくりしたり相手から嫌われたり。
そのことで自分が自己嫌悪になったり。

ある30代のご夫婦がいます。
共働きで子供一人。

仕事から保育園により子供を引き取って帰ってきてすぐさま食事を作るのは奥さんのしごと。
子供が生まれた時には「忙しい時や疲れた時は家事を手伝う」という約束をご主人としたのに、ご主人も帰ってきて家にいるのにもかかわらず手伝うどころかゲームをやって奥さんのやっていることにおかまいなし。

「約束が違う、なぜ私ばかりしんどい思いをしなきゃいけないの」と思っていらいらしますが、「家事が疲れてできないようならできれば仕事はやめてもらいたい」と以前から言われているので強くは家事を頼めません。

「この人は子供だからしょうがない」と怒りたい気持ちを飲み込みます。

でもある日奥さんが仕事でミスをして上司から注意されて帰ってきた時にご主人がゲームをやってごろごろしている時に怒り、いらいらが爆発します。

「なんで私ばかり、こんなことをしなきゃいけないの!子供なんか産まなきゃよかった、結婚なんて損ばかり。もう嫌」
と大声で喚いて泣き出してしまいました。

子供もご主人もキョトン。

そんなに切羽詰まっていたなんてご主人は気がついていなかったからです。

怒りを爆発させることで相手が気付いてくれることもあるので、こういったケースが悪いとも言えませんが、できたらそんなに激昂してしまう前に自分が相手に対してどんな要求をしているのか客観的に知ってもらいたいんです。

いらっときたら私にはこんな要求がある
たとえば

「だんなさんに手伝ってもらいたい」
「たまには自分から自主的に手伝ってもらいたい」
「ありがとうと言ってほしい」など。

一度要求があることを認めてそれをオーダーとして相手に上手に伝えられるといいんですが、とりあえずは①自分のいらっとした気持ち②自分の中にある要求
に気づいていただきたいです。

まだアンガーマネジメントの半分ですが、だいぶこれで怒りやいらいらはクールダウンします。

ガマンしている人の多くは相手を思いやる善意や責任感から怒りを抑えることが多いんです。

嫌な気分になる自分を責めないで、まず認めてほしいのです。

それをしない限り、いつもと同じ繰り返しになってしまうからです。

そういえば先日こんな話を聞きました。

民族の違いもあるでしょうが、台湾で仕事をしていたこともある私の夫は、ある日職場で激しい罵り合いをしていた女性職員二人の様子を見て驚いたそうです。

「あんない酷い罵り合いをしたらもう明日は二人とも職場にこないんだろうな」と思うほどだったそうです。

ところが翌日二人は何事もなかったように出社して普通に会話していたそうです。

それを見て二度びっくりしたそうですが。

台湾には「あんたの口なんだからあんたの自由に使えばいいよ」というようなことわざがあるそうです!

お国違えば・・びっくりですね(゚д゚)!

同じように・・とまではいかなくても「ケンカしたらもう終わり」「怒ったら終わり」という緊張感から「怒る時があってもいい」と少しおおらかに構えられるといいですよね。

もちろん相手にもよるんですが。

ふだんおだやかで冷静なのに怒ると激昂して止まらなくなってしまうのは、ふだん自分の嫌な感情に蓋をしてしまう、そして自分が相手にどうしてほしいのか理解できていないことが理由です。

まずは怒る感情そのものは、悪くないので「怒りの感情を認める」ことからはじめてみませんか。
気づくことができたら解決の始まりです。