夫婦や恋人とはじめは価値観がぴったりでラブラブだったのに、だんだんズレが出てきて、もう嫌いになってしまった、離婚してしまったという話をよく聞きます。

私も離婚した経験があり、確かに「価値観」のズレを大きく感じていましたし、そのために離婚したんだと信じていました。

じゃあ「価値観」っていったいなんでしょうか?

ウィキペディアで引いてみると価値観とは、「善・悪、好ましいこと・好ましくないこと、といった価値を判断するときの根底となる ものの見方」とあります。

同じ価値観を抱く人同士では、そうでない人同士に比べて、互いの行動が理解しやすかったり共同作業がしやすく、接近する傾向があるとも書かれています。

確かに同じような価値観だったら理解しやすいし、一緒にいて心地いいですよね。

はじめはそんな心地よさを感じていたのに、最近ではすっかり変わってしまった・・なんてことはありませんか?

たとえば食事の時に、奥さんがご主人の体調を考えて一生懸命手作りしたお食事を出してもご主人が「ありがとう」も言わず、それどころか「今日食べたいものはこれじゃない」なんて文句を言われたら、カチン!ですよね。

当然だと思います。

奥様の頭の中にあったことは
「これだけあなたの体調を気遣って作った食事なんだから、食べたくなかったとしても文句を言わずに食べて<ごちそうさま>くらいは言ってほしい」

「たまには『美味しかったよ』と言ってもらいたい」と思うんじゃないでしょうか。

また美味しいともまずいとも言わず無関心にテレビを見ながら食事をしている夫を見て、呆れてもう諦めしかない、いつまでこのガマンを抱えて生きていけばいいんでしょう?というお悩みも聞くこともあります。

そもそも「価値観」はどのように作られるんでしょうか?

生まれつきでしょうか?

これもウィキペディアを見てみると

親から教えられることもあるし、書物を読むことで吸収することもある。
組織や共同体に属することによって継承されることもある。
また、個人的な体験をきっかけに思索の積み重ねによって独自に新たな価値観が構築されることもある

とあります。

親から教わってきたこと、または遺伝的な要因がけっこう大きいのではないかと実際にお話をお聞きして思うことが多いです。

幼少時、親が忙しくて一人で食事をすることが多かったり、親がとても躾に厳しくて、だまってもくもくと食事をとるしかなかった・・など食事についてあまりいいイメージがない人が多いような気がします。

そんな人が思うことは
「だまって食べているということは美味しいからだ。それをいちいち美味しいと口に出す必要はない」とか

「自分が嫌だと思ったことは食事中でも素直に口に出したい、または口に出して当然」ということかもしれません。

奥様からすると「私の善意が否定された」となって腹がたったり諦めに入ったりという嫌な気持ちになりますが、ご主人は否定したとは思っておらず、自分としては当然の「価値観」を口に出しただけだと思っています。

その人の「価値観」はなかなか変わらないのも事実です。

でも対応を変えることができます。

相手の価値観と自分の価値観を同じにはできないけれど、相手の価値観を理解しようとする、これだけで変わります。

この人は幼少時、親とどんな関わりをしてきたんだろう?
食事を楽しんだり、喜んで会話したり、出かけたりしていたのかな、と想像してみることです。

時には実際に相手に聞いてみるのもいいかもしれません。

こんなふうに「相手を理解しよう」と思うだけで、相手の対応は変わります。
誰でも自分に関心を持って理解しようとしてくれる人は好きだからです。

まずご主人の理解者になってから「私が頑張って作った食事を否定されたのは悲しかった」と伝えると相手にもすんなり伝わります。

恋人や夫婦もつきあいが長くなると「相手に負けたくない」と意地をはってしまいがちです。

対立した時は「自分の価値観は正しいんだから、謝るのは相手」と信じて疑わないのです。

でもそもそも価値観は、自分だけで作ったものでなく親からの影響でどうにもならないことも多いし、自分と完全に一緒という人はいないですよね。
それぞれ違って当たり前です。

だからスレ違いも起こって当然です。

長く一緒に過ごす相手には「自分と違う価値観だけど、どうしてそういう考えになったんだろう?」と想像を巡らせてみるのも効果があります。

もうこの人の尊敬できる部分なんてひとつもありません、離婚すると決めている、ということでしたら話は別ですが・・。

まだそこまでじゃないけれど・・という人にとっては、ガマンをしながら相手と一緒にいるということは心と身体の健康によくありません。

自分を楽にするという意味で、まずは「相手の価値観を知ろうとする」(なぜそういう価値観になったのか?)ことから始めていただければと思います。






今年6月に起きた東名高速の夫婦死亡事故について、昨日もテレビで報道されていました。

容疑者は、ふだんは普通だけど、車を運転すると性格が変わり以前から危険行為をしていた、と知人男性が語っていました。

ふだんは普通だけど、車に乗ると・・ということは車に乗ると心境にどんな変化があるんでしょうか?

専門家の先生方がお話ししていらっしゃいましたが、車とはある意味自分を守ってくれる完璧な空間です。
どこの誰が運転しているかもわからないし、匿名性があるため気が大きくなると説明していました。

そして「自分は運転がうまい」と思っていると他人の運転に対して不満を感じることが多いので、それがかっとする大きな原因だとお話しされていました。

人はなぜ「かっ」「いらっ」となるかというと「自分の思い通りになるない時」に腹がたちます。

自分が運転が上手だと他人もそれができて当たり前、できていないと腹がたちます。

「のろのろ走ってんなよ」
「進路変更するならウインカーをさっさと出せ」

などと思うことは私も若い時にはありましたが、今は「いらいらしても仕方ないし・・」とすぐに切り替えできるので、いらいらし続けることはありません。

年齢のせいもあると思いますが、今ではいらいらし続ける状態がどんなに危険か知っているからです。

自分が運転するといらっとしやすい人はアンガーマネジメント的に注意が必要かもしれません。

ふだんから時間に余裕を持って運転すること。

そしてふだんから怒りやいらいらがあれば、それを自覚して溜めないように工夫をすることも必要かと思います。

車はとても便利な道具なので、走る凶器にならないよう上手に使いこなしたいです。

*アンガーマネジメントとは
https://anger-m.ws/angermanagement.html




先日、東京井の頭通りにあるモスク「東京ジャーミー」に行ってきました。

もともとイスラムのデザインや色合いは好きなのですが、モスクの美しさには感動しました。
トルコなどの外国に行かなくても日本にいながら、モスクを目の当たりにできるなんてありがたいことです。

私は特定の宗教を持ちませんが、イスラム教であれ仏教であれ、人々が祈りを捧げる姿は美しいなと感じます。

誰かの幸福を祈るような「ポジティブな祈り」は、「オキシトシン」などの脳内快感物質が分泌されて、脳を活性化させて体の免疫力も高めることが脳科学でもわかっています。

反対にネガティブな感情、例えば誰かに対する怒りや妬み、恐れなどの感情から相手の不幸せを祈ってしまうと「コルチゾール」というホルモンが分泌され、脳の海馬を萎縮させて記憶力を低下させたり、どんどん不安になってしまうこともわかっています。

相手の幸せを願える状態ならいいのですが、職場や家庭で理不尽な扱いを受けてる時などは、どうしても怒りやイライラなどのネガティブな感情ばかり出てきてしまいます。

そんな時は、どうしたらいいのでしょうか?

そんな時に役に経つのがグーグルやアップルが注目して最近では日本でも話題になっている「マインドフルネス」の考えかたです。

集中力やストレスや疲労の軽減など多くの効用があることが指摘されています。

マインドフルネスとは、「今ここ」に集中することです。

今、起きている感情や思考を例えば自分が怒っている時なら「ああ、自分は今こんなに〇〇に対して腹が立っている」とまずは客観的に観察することです。

怒りの感情も、自分を守るための「防衛感情」なので、あるのは当たり前ですしなくなったら危険を察知することもできず困ってしまいます。

ただここからが大事です。

そこから怒り続けて、怒りを増幅させないこと。

〇〇のこういうところがダメなんだよ。前にもこんなことがあって・・といかに相手がダメかを考え続ける。

はじめは少し腹が立っていただけだったとしても、そこからどんどん妄想が膨らんで、もっともっと怒りが大きくなります。

怒りが続くと相手ではなく自分の体や心を傷つけます。

そうは言っても今までの考え癖を変えるのは簡単ではありませんよね。

なんとあのお釈迦さまでも怒ったことがあるそうです。

道を歩いていたら急に通りすがりの見ず知らずの人に頬をひっぱたかれた。

「なんだこいつは!」と怒るわけです。

ところがお釈迦さまのすごいところは、そのあと「怒りを手放すこと」ができることです。

少し間をおいてから「なぜ急に頬を叩いたんだ?」と落ち着いて聞いたそうです。

なかなかできないことですよね。

反応としての怒りは出るけれど、そのあとは冷静に分析しています。

これを実践しやすくするのがマインドフルネスで、客観的に自分の感情を見れるように瞑想をしたりヨガをしたりという方法をとることが多いようです(慣れてくれば瞑想などしなくてもできるようになるようですが)

アンガーマネジメントでは、怒りの要因を特定して怒り続けることをやめることで怒りをコントロールできると講座で紹介していますが、マインドフルネスも共通する部分がたくさんあり、アンガーマネジメントを実践する上でも良い方法だと思いました。

アンガーマネジメント静岡教室の講座では、脳科学やマインドフルネスの要素も取り入れていますので、自分の思考や感情で解決しないことがあるという方は是非お問い合わせください。無料相談もお受けしています。

アンガーマネジメント無料相談
https://anger-m.ws/freemeeting.html

とある40代の管理職の人の話
「最近の新入社員はこちらが気を使って接してもちょっとしたことがあると嫌になってすぐにやめてしまう・・」

「怒ってはいけない」とか「強い口調で注意しないように」と上から指示されているので、気をつけてそのように接しているのにも関わらず、ちょっとミスしただけで本人が自信をなくしてそのまま会社に来なくなってしまうこともあるようです。

管理職の立場からすると「彼らが何を考えているのかわからない」ということが大きな悩みではないでしょうか。

若い世代とコミュニケーションを取ることがむづかしい理由として彼らに意見を求めても「はい」か「いいえ」の簡単な返事しか返ってこなくて、褒めても叱っても反応が鈍く、どう接していいかわからないことがあると思います。

また動作もゆっくりでマイペースすぎるので、見ているとイライラしてしまう・・ということもあるのではないでしょうか。

「最近の若者は・・」とか「昔はよかった」と言いたくもなるかもしれませんが、こちらから相手を理解しようとしないと関係は改善されないので、少し考えてみたいと思います。

社会慣れしていない若者の共通点として

・挫折や失敗の経験が少ない
今まで親からも叱られたことがなく、さして大きな失敗もしていないので、未経験のことに対して失敗したらどうしようという恐怖や不安がある

・人からどう評価されているかが非常に気になる
否定的な評価をされると自信が低下するため、極端な場合は人との接触を避けることも

・人間関係をリアルに築く経験が少ない
SNSやインターネットの時代に生まれ、人に聞かなくても調べれば大体のことがわかるため人に聞くことが少ない、また携帯では文字のやりとりで会話が完結してしまうことが少なくない
つまり「生」のコミュニケーションが苦手

ということがあるんじゃないでしょうか。

こんなふうに生まれも育ちも受けてきた教育も違うので価値観が違うのは仕方のないことですが、人間はどうしても自分の「べき」が正しいと思いがちです。

「俺の若いころ先輩はもっと厳しかった」「誰も仕事を教えてくれなかったから自分で見て覚えるしかなかった」

だから部下に対して「仕事は、甘えないで苦労して自分で覚えるべき」という「べき」があるかもしれません。

「もっとはっきり返事をするべき」という「べき」もあるかもしれません。

でも「べき」は世代や育ちによって大きく異なります。

自分の「べき」が正しいからと相手に押しつけても反発されるばかりです。

また自分にとっての怒り、いらいらの原因にもなります。

昔は「飲みニケーション」などといって仕事が終わった後に社員同士で
飲みに行って仲良くなるという機会がありましたが、今はそんなことしたら「残業代がつかないなら行きません」と言われそうです。

今と昔の大きな違いは、育ってきた環境の違いも確かにありますが、昔は自分を理解してくれる人もたくさんいたのではないでしょうか?

怒りっぽい上司だけれど、なにくれとなく世話を焼いてくれたり、面倒くさいぐらい家族のことや趣味を聞いてきたり。

面倒くさいなと思いながらも自分に関心を持たれていることに嫌な気持ちはしなかったと思います。

現代には「お節介な人」が減っていると思います。

「とにかく人に迷惑をかけないように」が当然のようになっていて、人と関わることを極力避ける。

そうすることで、よけいに相手のことがわからず、理解できないという悪循環になります。

なんでも根堀葉掘り聞けばいいということではないんですが、仕事の合間などでは、部下がどんなことに興味を持っているのか、またどんなことが得意で苦手か聞いてみるということもいいと思います。

はじめは、なかなか話がはずまないと思いますが、そのうち話してくれるはずです。

そうして「この人は自分にとって安心できる存在だ」とわかると職場が彼らにとってもだんだん居心地よくなってきて、仕事のモチベーションも変わってきます。

「なんだか面倒だ」と思われるかもしれませんが、SNSなどの普及で生のコミュニケーションをとる機会が減っている時代背景もコミュニケーションが苦手な原因としてあります。

調べものが得意で理論では負けない彼らなので、実際に人の中に入りいろんな経験をしていくことで、能力を発揮していける可能性はあります。

部下に好かれる上司になる一歩として「自分のべきをおしつけない」「ちょっとしたお節介」をしていただきたいと思います。







私はストレスに強い方だなと感じる人もいれば、どうも私はストレスに弱い方だなと感じる人もいると思います。
ストレスの原因は「ストレッサー」と呼ばれ、騒音や気温の寒暖などの物理的ストレッサーもありますが、心理的ストレッサー(怒り、不安など)もあります。

私たちは一人では生きられず、社会の中で人と繋がって生きているので、完全にストレッサーの影響を受けないようにするということは、むづかしいと思います。

たとえば、価値観の違う相手と同じ職場でチームを組んで仕事をする場合にも「怒りやいらいら」などのストレスは、起こります。

チームで仕事をしている時、いつも指示を聞かず同じミスをして他の人に迷惑をかける同僚にいらいらしたり・・。

この「怒り、いらいら」のしくみを「脳」の扁桃体と前頭前野で見てみると
すごく嫌なことがあると脳の「扁桃体」という部位が反応します
「扁桃体」は、怒りなどの原始的な反応をするところです。
むかっ、いらっ、か〜といった反応です。

普通だったら、この扁桃体の反射を前頭前野(理性的、理論的なコントロールを行う)がコントロールしてことなきを得るのですが、あまりにも長く怒り続けることでストレスが続いてしまうと扁桃体が暴走し、ストレスホルモンの分泌過剰が止まらなくなるそうです。

<扁桃体が興奮するとどうなるか?>

怒り思考(例:何度同じミスするんだよ、誰でもできる簡単なことだろうが、などと考えること)が続く

扁桃体にストレス(ストレスホルモンコルチゾール)が蓄積

怒りが自分を支配する

前頭前野の抑制機能がきかなくなる

原始的な衝動が続く

不眠や認知症になりやすい
DHEA(若返りホルモン)が減る
コラーゲン生成が阻害される

きゃ〜怖いですね。
不眠や認知症だけでなく、コラーゲン生成が阻害されて老けやすくなるなんて女性には大敵です。

これは真剣に扁桃体を強くすることをしないといけないですね!
ストレスホルモンに負けないように感情のバランスを整えるためにできることはけっこうあるんです。

たとえば
・自分だけの時間をしっかり確保して、好きなことに打ち込む
・規則正しく暮らす
・毎日軽い運動をする
・映画や小説で笑ったり、泣いたりする
・スポーツ観戦などでエキサイトする
(野球、サッカーの試合に行って、野次を飛ばすなど)

ふだん怒りいらいらの感情があってもそれをそのまま相手にぶつけたら・・なんて考えただけでも怖いですね。
出してもいい場所で思いっきり感情を出すこともとっても大事なんですね。

ちなみに私は自分だけの時間は好きなジャズを聞いたり、ピアノを弾いたりしています。
そういえば昨日、楽器博物館でおみやげ用の「ガムラン」を買いました。





小っちゃいながらけっこういい音がするんですね。

以前聞いた話ですが、ガムランからは超高周波音が出ていて(「ハイパーソニック・エフェクト」というんですが)この音を浴びると身体が反応して脳幹や視床、視床下部が活性化してアルファー波が増大して免疫力が上がり、ストレスが減るらしいんです。

ジャワ島では、王様がお昼寝をする時に演奏されていたそうですから、特級の癒やしだったんでしょうね。

秋に聞こえる「鈴虫」の音色からもこの超高周波が出ているそうです。
残念ながらCDでは無理で、あくまでも生音がいいそうなんですが・・。

ぜひご自分にあったストレス対策をしてストレスに強くなってくださいね。