怒りで後悔しないようになる「アンガーマネジメント」

皆さんは、「アンガーマネジメント」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

アンガー=怒り

マネジメント=後悔しないこと

つまり怒ったことで後悔をしない、ことなんです。
「怒り」という感情は、人間に備わっている感情だから決して悪いものじゃないんです。

たとえば・・家の玄関に家族の誰かが置きっぱなしの荷物があって、気づかずにけつまずいてしまった。
「いた〜い、誰よこんなところに荷物を置いたのは!」と怒ったり
「最近、ちょっと太ったんじゃない?」なんてだんなさんに言われて「イラっ」ときて「なによっ」と言い返してしまった・・など。
こんなことはよくあることですし、とくに後悔することではないと思うんです。

でもうっかり相手に怒ってしまったことで人間関係にひびが入り疎遠になってしまったり、それが理由で会社をやめなくてはならなくなったり、そんな場合は明らかにデメリットが大きくなってしまい「後悔」の気持ちが強くなりますよね。

私も「あの時あんなこと言わなければ今も付き合えていたかもしれない」と思う友人がいます。

じゃあそもそもなぜ人が「怒るのか?」というと自分の希望や期待が通らないときに「怒り」になるんです。

相手の言動や行動が自分が想像していたものと違うときですね。

たとえば頭がよく状況判断も抜群でいろんな方向で物事を考えられるAさんとまじめで従順だけれど1つのことに集中してしまうと他のことが見えなくなるBさんが同じ職場にいたとします。

Aさんが会社内で急いでいたため、うっかり重要な書類を「不要書類処理箱」の近くに置き忘れて外出してしまいました。

そこを通りかかったBさんが何も考えず「不要書類処理箱」の近くにあったんだから当然処分してもいいものだと思い、気をきかせて箱に入れたためシュレッダーをかけて処分されてしまいました。

帰社したAさんが自分が書類を置き忘れたことに気づき「ここにおいてあった私の書類はどこ?」と皆に聞いたのでBさんが『不要書類処理箱』の側にあったので処分していいものだと思い箱に入れました」と答えました。

するとAさんが「なんてことしてくれたの!大事な書類だったのにどうしてくれるのよ。データも残ってないんだから。私のものだとわかる書類なんだから、担当者にひとこと確認してから処分するのが普通でしょ」と大剣幕。

Bさんはすっかり落ち込んでしまいました。

社内もAさんの剣幕にすっかり凍りついたような雰囲気が漂っています。

上司も「まあまあAさん落ち着いて。Bさんも悪気があったわけじゃないから」といいますがAさんの怒りは収まりません。

Aさんは「社内に誰かが置きっぱなしの書類がある時には、厳重に注意して必ず担当者に確認してから処分をするべき」だと思っていたのにBさんがそうしなかったので、しばらく怒りが収まらず机をバンバン叩いたり、そのへんの物を蹴ったりしていました。

Aさんの言うことは社内のルールですし筋が通っていて正しいんです。

でも正しいからと言って皆の前で激昂したりするとAさん自身が損をしてしまいますよね。

「あの人を怒らせると怖いからね」となんとなく腫れ物を触るような態度を周りからとられたり、なにより一番つらいのはAさん本人だと思います。

怒っている間他の仕事は手につかず時間のロスをしますし、なにより怒った後疲れて自己嫌悪になることが多いと思います。

じゃあどうしたらいいんでしょうか?

自分の「こうするべき」と人の「こうするべき」は違うということをまず知ることなんですね。

いろんな方向で物事を考えられるAさんは、1つの行動をする時もいろんな可能性が考えられます。

でもそうではないBさんは・・というと言われた通りにしか行動できず「もしかしたらこんなことが起きるかも」という想像はできません。

それがわかっていれば「そういえばBさんの性格だと言われた通りのことはできるけれど他の可能性は考えられないから、書類を捨ててしまったのも仕方ないな。そもそも私が書類を置き忘れたのも悪かったし・・。」と怒るどころか謙虚になれます。

なぜ自分の思い通りの行動を相手がしなかったのか?という理由を客観的に考えられるようになると無駄に怒ることが減り、相手の行動が間違っていたとしても「こういう場合は確認してね」と冷静に伝えることができます。

「怒りの感情のコントロール」ができないと後悔することが多く、大切な信頼もなくしてしまう可能性もあります。

怒りで後悔することなく、周りの大事な人との信頼関係も大切にして幸せに生きていけたらいいですよね。