忙しい時に仕事を頼んでくる上司にいらいらする

あなたが決まった時間までにやらなければならない仕事を必死でやっている時に上司から「これ頼むよ」なんて簡単に言われたら腹がたちますよね。

「今私(俺)がやっていることを見れば忙しいことくらいわかるだろーが」と心の中で思うと思います。

そんな上司に限って忙しい中、頼まれた仕事を必死で仕上げても「あーできたのか」とか「ここは間違っているんじゃないのか、次回は慎重にやるように」なんて言われ、感謝の言葉もないことに二度いらっとしたり。

「あ〜もうガマンの限界だ、いつやめるって言ってやろうか」という考えが頭の中をぐるぐるよぎるかもしれません。

よほど労働条件が過酷だったり、仕事の内容に嫌気がさしているならともかく「あの上司さえいなければ」だけが理由だったら「辞める」選択は得策じゃないですよね。

じゃあやっぱり「ガマンするしかないのか」と思われるかもしれません。

アンガーマネジメントでは「6秒ルール」といって相手に嫌なことをされたり言われたりしてもとりあえず6秒は言い返したりせずやりすごすというメソッドがあります。

売り言葉に買い言葉で瞬時に相手に反応した場合に取り返しのつかない事態になることを避けて、怒りがマックスになる6秒をやりすごすという意味です。

さてその後です。

やっぱり思い出すと腹の虫は収まらず、また上司に同じことをされた時に「また同じことしやがって」と怒りがもっと大きくなってしまうと思います。

そんな時にこんなことをしてほしいんです。

①いらっときた時間を確認(◯時◯分)(いらいらから意識をそらす目的です)
②ちょっと深呼吸してから「自分は上司に対してどんな要求をしていたか?」と振り返ってほしいんです。
ちょっと自分の「思考」を客観的に観察するような感じです。

表面的には「こんなくそ忙しい時に仕事を頼むなよ」だと思いますが、もう少し深く探ってみると「他に最優先にしなければならない仕事があるから」という責任感かもしれないし、「忙しい時に無理して引き受けてミスをしたくない」という責任感や相手に対する善意かもしれません。
それがなくて「どうでもいいや」なら相手に対して腹もたたないんですよね。

そして③相手の状況、性格、考えを理解しようとすること、これがとっても大事です。
とくに「性格」ですが、上司といえども人間ですから「欠点」はあります。
上司なんだから「できて当たり前」と思うことでもできないこともあるんです。
それを相手の性格の「ハンデ」と呼ぶことにします。
身体のハンデキャップと同じようにその性格をもたされて、本人も苦労しているところです。

たとえば
・気が短くて怒りっぽい
・すぐ感情的になってしまう
・決めつけが激しい
・プライドが高く間違っていても認めない
などです。

これのために職場での評価、少なくとも部下であるあなたの評価は下がってしまっています。

性格も体格と同じで私たちにとっての「持ち物」なので、本当は恵まれたいい性格や体格を持ちたいところですが、性格も体格も自分で選ぶことができません。
また変えることも不可能です。
「もし上司の性格をあなたが持たされたらどうか?」と聞かれたら「NO!」と答えるんじゃないでしょうか?
「あんな性格を持たされたら自分はやっていけない」と思うかもしれません。

そんなハンデキャップを抱えながらも上司として仕事をしているんだからある意味すごいな〜と思ってください。

アンガーマネジメントは認知行動療法でもあり、考え方を変えて自分を楽にすることが目的です。どちらが正しい、間違っているを決めることではありません。

「明らかに相手が間違っているのになぜ自分が相手を理解しようと努力しなきゃいけないのか?結局上司に屈するしかないのか」と疑問が出るかもしれませんが、アンガーマネジメントの目的は「自分が正しいことを証明して相手に勝つ」ことではなく「自分を楽にする」ことなんです。

20代〜30代くらいまでは体力もありますし元気ですから、相手を言い負かしたり、勝ったりしたいのが普通だと思うので、なかなかこの考えには納得できないかもしれませんが、アンガーマネジメントができると相手の対応が変わってくるんです。(性格は変わりませんが対応は変わります)

こちらを理解しようとしてくれたり、優しくなったりしていい関係に変わります。

相手によっては、本音を言ってぶつかってはじめて相手のことを理解できる場合があるので、必ずしも本音を言ってはいけない、相手に対して怒ってはいけないと一概には言い切れませんが、あくまでも相手によると思います。

今まで私をいらいらさせるのは、相手のせいだと思っていたかもしれませんが、実は自分で管理ができます。

相手を変える(性格や考え方を変える)のはまずむづかしいですが、できることからやっていただいて、居心地のいい職場に変えていただければと思います。