占いを超えた手相学


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占いを超えた手相学のページ


 「パーミストリー講座」「総合鑑定」では、手相(パーミストリー)を占いとして使用する以上に、性格、発想のしかた、考えぐせ、感情表現、体力など、 “持ち物” である脳と体の情報を知るために活用します。

 これを「コスモロジカル・パーミストリー」(持ち物学)と呼んでいます。「コスモロジカル・パーミストリー」の考え方で手相を見ると、相手のことをよく理解することができます。手相を見る最大の目的は、相手を理解することなのです。

 手相を見せてもらうことによって、それまで話したことのなかった親密な話題が、驚くほどスムーズに進んでいきます。「基本的な性格について」「体力や気力について」「人生に対する考え方について」「周囲の人々との関係について」「人に対する要求の強さについて」など、その人が “命の乗り物” としている “持ち物(脳と体)” について話し合うことによって、その人が何に恵まれていて、何に苦しめられやすいのか、普通ならとても話す機会のない話題が進んでいくのです。

 それは、手相講座の教科書でもある『パーミストリー 〜人を生かす意志の話〜』にも書いてきたことです。



 【 注意! 】 手相は善意だけをもって活用する技術です。絶対に悪用しないでください。

 もうひとつ、他の手相占いと決定的に違うのは、 “手相に運命は表れない” という立場を取ることです。一般に出回っている手相の本には、手相に「運命」が表れると書かれていますが、そう断定するのであれば、まずそれを証明して見せなければならないはずです。ところがそれを証明している本は一冊もありません。手相に表れるのはあくまでも脳の情報であって、未来のできごとを表す線が出ているとしても、「そう予感しているだけ」と考えます。


手相の基本線と手の丘

基本線と丘わかること
生命線 Life Line人生そのもの・健康・運気の時期
「生命線が短いから寿命が短い」というのは迷信です。
頭脳線 Head Line性格・考え方・適職
感情線 Heart Line性格・恋愛傾向・愛情・家庭
運命線 Fate Line努力・持久力・苦労・忍耐
太陽線 Apollo Line金運・知名度・人気
水星丘 Mercury Mount知的能力・商才や仕事・判断力
金星丘 Venus Mount愛情運・人生を楽しむ能力・健康・愛情表現
火星丘 Mars Mount活動力・闘争心・意志・情緒など
木星丘 Jupiter Mount野心・権力・独立心・夢や希望・指導力・責任感
土星丘 Saturn Mount孤独・忍耐・信仰心・積極性など
月丘 Lunar Mount想像力・他者との関係・人気運・霊感など


頭脳線と感情線が一本になっているマスカケ線(百握り)

 このページでは、手相の基本について、『パーミストリー 〜人を生かす意志の話〜』から抜粋して紹介していきます。


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1 線の方向



 手相の線(掌線)には、起点と終点があります。線の始まりとなる起点は比較的太く、線の終わりとなる終点は細いといわれています。しかしながらこれはよく観察してもわからないことがあると思いますので、各項に掲載する手相の図には、矢印で線の方向を示してあります。



2 九つのエリアとキーワード



(1)月丘(Lunar Mount)

手首のすぐ上から小指に向かう広い面です。ここが盛り上がっていると、家族ではない〈人々〉との関係が強いとか、〈人気〉があるということになります。また、〈想像力〉や〈ひらめき〉があるという意味もあります。

(2)金星丘(Venus Mount)

手首のすぐ上から親指に向かう広い面です。ここが盛り上がっていると、〈家族〉との関係が濃いことや〈愛情〉がいっぱいであること、あるいは〈性欲が強い〉ことを意味します。

(3)木星丘(Jupiter Mount)

人差し指つけ根の面です。ここが盛り上がっていたり、ここにタテ線が入っていると、〈支配欲〉や〈向上心〉、〈独立心〉があるという意味になります。

(4)土星丘(Saturn Mount)

中指つけ根の面です。ここが盛り上がっていたり、ここにタテ線が入っていると、〈思慮深い〉という意味になります。〈慎重〉であるとか〈勤勉〉であるという意味もあります。

(5)太陽丘(Sun Mount)

薬指つけ根の面です。ここが盛り上がっていたり、ここにタテ線が入っていると、〈名声〉を得るという意味になります。〈成功〉して〈金運〉にも恵まれるという意味もあります。

(6)水星丘(Mercury Mount)

小指つけ根の面です。ここが盛り上がっていたり、ここにタテ線が入っていると、〈商才〉や〈富〉に恵まれるようです。〈弁が立つ〉とか、〈仕事ができる〉という意味にもなります。ただし手相の意味として言う「富」などは主観的なもので、あくまでも「自分の今の状況に不足がない」という意味です。その点には常に注意してください。

(7)第一火星丘(Mars Positive Mount)(Lower Mars Mount)

人差し指側、金星丘の上です。〈押し〉がキーワードで、ここが盛り上がっていると、押していく力があり、〈勇気〉があるという意味にもなります。

(8)第二火星丘(Mars Negative Mount)(Upper Mars Mount)

小指側、水星丘と月丘の間です。〈受け〉がキーワードで、ここが盛り上がっていると、受ける力が強く、〈現実的〉で〈我慢強い〉という意味にもなります。

(9)火星平原(Plain of Mars)

火星平原は、くぼみ方の程度で〈自我〉の強弱を表します。普通であれば〈協調性〉があり、厚みがあれば我が強く、くぼみが大きいと弱いという意味になります。

 第一火星丘、第二火星丘、火星平原。三つセットで、〈生きていくための情熱〉を表します。


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3 三大線





4 生命線(Life Line)



 張り出し方が小さく、起点から比較的まっすぐ下の方に降りている生命線は、体力的にあまり強くないことを表します。一方で、図のように掌の中心線に近い方まで大きく張り出している生命線は、スポーツ選手など、体力的に強い人によく見られる手相です。


 起点が人差し指に近いとすれば、木星丘側から始まっているということになります。木星丘のキーワードは〈支配〉でした。そこには〈支配欲が強い〉とか、〈独立心がある〉といった意味もあります。この手相は、そのような個性を表しますので、リーダーシップが取れるタイプかもしれません。

 もし親指に近いとすれば、第一火星丘から始まっているということになります。第一火星丘のキーワードは〈押し〉や〈勇気〉でした。それは同時に〈無謀〉、あるいは〈闘争心〉といった意味合いにもなるようです。この手相はそうした個性を表しますので、この人が危険な目に遭わないようにするには、ある程度自制心が必要かもしれません。



 二重生命線は、生命力などを表す生命線の持つ力を補強するということで、抵抗力が強くなったりしますが、第一火星丘から始まるために〈火星線〉とも呼ばれ、先に見た「生命線の起点が親指に近い」場合と共通する意味合いにもなるようです。それは「勇気」とか「無謀」といった意味でした。



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5 生命線に表れるその他のしるし



 生命線の下の方がはっきりと分岐している線があると、自分の故郷など拠点としているところとは別のところへ行くという意味になるようです。


 生命線の一部区間などで、生命線に並行する線が小さく出ていることがあります。このような線は、自分の本拠地のほかに、もうひとつ別の生活拠点を持ち、行ったり来たりすることを表すようです。


 生命線の途中が「島」のようになっていると、流年法で見るその年齢の期間に、病気、けが、ストレスなどによって、通常とはかなり違った生活を急に強いられることを表すようです。


 生命線が途中でくねくねと蛇行していると、流年法で見るその期間に体調を崩したりしてかなりつらい思いをする可能性が高いようです。


 生命線が途中で途切れていることがありますが、これは「生命力の空白期間」を表します。


 細い線が下に向いて複数出ていると、その時期は疲れて精神的にまいっている時期という意味になります。



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6 運命線(Fate Line)

 誰の手にも必ずあるという線ではなく、その起点や終点も様々で形も一定しないというのが〈運命線〉です。

 運命線は〈思慮〉と〈勤勉〉の土星丘に向かう線ですから、何らかの意志や目標を持って生きている人に現れるようです。特に目標のない人には出ないともいわれています。


 これは生命線の支線のようになっていて、そこから中指の方に向かっています。生命力が強く、若いころの苦労が実を結んで成功するという意味になります。


 これは最も基本的な形の運命線です。手首のあたりを起点として、まっすぐ中指の方に伸びた形で、生涯を通じて幸運で、自分の力で成功する可能性を持っています。


 これは月丘を起点とする運命線です。月丘は「人々」「人気」がキーワードですから、人々の支持で成功するとか、人々から支援を受けて成功することを表しています。


 これは頭脳線か火星平原あたりを起点とする運命線です。人生の途中から運勢がはっきりしてくるという意味になります。


 これは、運命線が途中で途切れて消え、一定の期間をおいてからまた現れているというケースです。これは仕事の上でのブランクを意味します。



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7 太陽線(Apollo Line または Sun Line)

 太陽線とは、太陽丘(薬指の下)に向かう縦線です。運命線はその隣の土星丘(中指の下)に向かう線で、思慮深く勤勉な人生という意味になりますが、太陽丘は〈名声〉や〈成功〉の丘で、それに伴って〈金運〉にも恵まれるという、まさに太陽のように輝かしい意味がありますから、太陽丘に向かう太陽線も同じ意味を表します。



 これは、火星平原(掌中央のくぼみ)から始まる太陽線です。太陽線も運命線と同じように、下から上へ昇る方向ですから、上の方に出て下の方に出ていないということは、若いころには成功とはあまり縁がなく、ある程度年齢を重ねて成功することを表します。



 第二火星丘のキーワードは〈受け〉で、受け止める力が強い、つまり忍耐力があるという意味になりますから、様々な困難や逆境に耐え、努力の末に、人々からの信頼を得て成功に至るという意味になります。


 これは、太陽線というほどはっきりした線にはなっておらず、細かな小さい線が太陽丘上にいくつも見られるものです。どれか一本がはっきりしてくるまではまだ確実な成功には至らないという意味になります。



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8 頭脳線(Head Line)


 頭脳線はほぼ文字通り、頭脳面での能力や性向を表します。感覚的なセンスの方ではなく、主に理知的に考える方の能力や癖、つまり思考という持ち物の性質について、様々な情報を提供してくれます。

 頭脳線の個性を見るには、その長さ、形、起点、終点などを見て行きます。


 この図のように、薬指の中心から真下に下ろした線に、ちょうど達するぐらいの長さが標準的な長さとされています。

 標準的な長さであれば、その終点は掌中央の火星平原になりますが、月丘まで達するほど長い頭脳線は、よく思考するということを表します。「頭が良い」とも言えますが、頭が良いからといって思考への依存を高めてしまうと、持ち主が思考に使われやすくなるということもあり得ます。

 また「線が短いから頭が悪い」という短絡的な判断もできません。頭の良い人がかなわないほどの直感力を持っている人もいますし、悩むことなく先へ進む行動力があって頼もしい人もいるからです。


 頭脳線は月丘に向かうことが多いのですが、この図のように、中にはあまり下に下がらず、横の方へまっすぐ伸びて行って第二火星丘に達する人もいます。第二火星丘には〈忍耐強さ〉という意味がありますから、このような頭脳線が表しているのは、忍耐力の強さ、意志の強さで、厳しい人間関係など世間の荒波に揉まれて出世するタイプの人によく見られます。



 前半は第二火星丘に向かってまっすぐ伸びて行って、途中から降下しているという頭脳線は、第二火星丘の〈現実的〉という意味と、終点となる月丘の〈想像力〉という意味の、二つの性質を併せ持つことを表しています。



 下に降りる角度が急で、月丘の下の方に向かっているものです。〈想像力〉という月丘の意味が下に行くほど深くなりますので、空想好きな人であることを表しています。行動を伴わない空想の世界にいることを楽しめる人である場合が多いようです。



 この図は前に見た、途中で下に折れ曲がる場合とほぼ同じ意味になりますが、分岐によって、その意味は一層はっきり強くなってきます。



 この図は、支線が水星丘に向かっています。本線の頭脳線が標準型だとすると、そこに水星丘の〈商才〉〈仕事運〉などの意味が加わることになります。



 生命線の起点とは開いたところを起点とする頭脳線です。マイペースで大胆なタイプであることを表しています。



 起点が生命線の途中にあって、標準的なものよりかなり低いところから始まる頭脳線もあります。このような人は用心深く、自発的な行動が比較的苦手なタイプです。



 これは頭脳線が二重にある場合です。二本の頭脳線それぞれの意味を両方兼ね備えていますので、この例で言えば、下の頭脳線は比較的標準ですが、そこに生命線から離れた頭脳線が加わることで、起点が生命線と離れている頭脳線のような大胆さを併せ持つことになります。思考力が酷使される状況も乗り切ることができ、処理能力の高いタイプと言えるかもしれません。



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9 感情線(Heart Line)


 感情線は水星丘(小指の下)の外側から始まり、土星丘(中指の下)や木星丘(人差し指の下)の方向に向かって伸びています。

 感情線の表すものは、感情や情緒面での個性です。そこには頭脳線よりもさらに複雑で多様な個性が表れるようです。結婚生活や異性との交際における情念の表し方、その深さや清純さ、感情の起伏などが表れます。情緒面でとても苦しい思いをしている人を見つけることもできる、とても重要な線です。


 最も標準的とされる感情線の形です。水星丘の外側から緩やかにカーブを描いて上昇しながら、中指と人差し指の間ぐらいまで伸びています。



 終点が木星丘(人差し指の下)まで伸びている少し長めの感情線です。この程度の長さであれば、普通にどこにでもいるような、理想を追い求めて生きるタイプの人です。



 さらに長い感情線で、人差し指の基底線にまで達しています。いわゆる純情派で一度好きになったらとことん愛するというタイプです。



 これは最も長いタイプの感情線で、掌を横切るほどの長さがあります。とても深い情念にとらわれる人で、苦しい思いを強いられます。



 終点がせいぜい太陽丘(薬指の下)ぐらいまでしかないとても短い感情線です。感情線が短くなればなるほどクールで、人の感情を受信する大切なアンテナが発達していないとも言えるかもしれません。長い感情線とは逆のハンディキャップを負います。



 これは終点が木星丘で二又に別れている感情線です。愛情豊かで暖かい心の持ち主に見られます。



 これは、感情線が二本ある「二重感情線」です。この図よりもかなり短い線で出ている場合もあります。二本の線が持つ欠点をそれぞれに補い合いますので、一時的に落ち込むことはあってもすぐに立ち直るだけの強い精神力があります。



 これはいわゆる「ユーモア線」といって、ユーモアがあって機知に富んだ会話ができる人であることが多いようです。この線に限りませんが、このような細い線は環境や考え方などが変わって出てくることがあります。



 この図のように、上に出る細い支線は、楽天的で明るく考えるタイプの人に出るようでです。



 この図のように、下に出る細い支線は、逆に悲観しやすく悩みやすいタイプの人に出るようでです。

 感情というものも自分の持ち物のひとつですから、その〈持ち主〉という立場に立っている以上は、沸き上がってくる自分の感情を抑えるべき時にはしっかり抑える、その責任というものがあることは間違いありません。

 とはいっても、感情が激しくなりやすい「感情線が長いタイプの人」と、いつもクールな「感情線が短いタイプの人」とでは、自分の感情を抑えるのに要する苦しみの度合いが全く違います。熱い人は抑えるのに苦労しますが、冷たい人は抑えるともなくやり過ごすことができるのです。このように、持ち物の性質には個人差があるわけですが、その個人差とは、〈持って歩く荷物の重さ〉と〈荷物を積む背負子の性能〉だと考えても良いかもしれません。



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10 ますかけ線



 すでにその形を紹介した〈ますかけ線〉についても見ておきましょう。三大線の横の線が頭脳線と感情線というように二本になっておらず、一本にまとまっていて掌を横切っている線、それがますかけ線です。「百握り」とも呼ばれています。

 珍しい線ともいわれますが、大勢の手を見てくると案外いるようです。ますかけ線の周りにはますかけ線が集まるということもあるようで、一人見つかると芋づる式に出てくるということもあるようです。ますかけ線をもつ人の傾向も書いておきたいと思います。

 まず、「人と一緒のことをするのが苦手で嫌い」ということがあります。なぜだかわかりませんが、小さいころから「自分は別」という意識があります。何をやるにつけ、自分だけはいつも特別な位置にいて、自分独自のことをやらなければならないと思い、それでこそ当たり前だと思い込んでいます。人から教えてもらうことも嫌いで、学校の先生より自分の方が偉いと思うこともありますから勉強はろくにしないし本も大して読みません。その一方で、人から見たら大変そうな仕事をひとりで黙々とやるという性質もありますが、それは地味な仕事ではなく、人をあっと驚かせる仕事に限ります。

 以上に書いたようなことがますかけ線の特質だとしても、一般にいわれるような「天下取りの手相」というほどの成功を手にするにはそれだけではだめだということがあるわけです。すでに見てきたように、運命線、太陽線、水星線という、縦に三本伸びる成功のための線がどれでも入ってこないことには、ますかけ線だけでは成功はつかめません。ですから、いくら世間をあっと言わせたいと考えても、ますかけ力だけでは埒があかないのです。だから必要なのは、ますかけなど忘れておくことでしょう。周囲にいる人々への感謝の気持ちを深くして、こんな自分でも何かの役に立てればと謙虚に考え、身近な人を全力で生かすことに注力したいものだと思います。



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